田子牛の歴史
導入
和牛改良の考え方(方針)
昭和35年全国和牛登録協会長来所
黒毛和種登録審査 初実施 18頭
昭和36年 家畜導入事業により10月岡山県から初導入される(80頭田子地区)当時は「質より量、飼いやすさ」が要求された。以後、広島、鳥取からと導入された。
青森県初の黒毛和種共進会が開催され、当組合優勝す。
昭和37年 3月沢田啓氏青森県初の地方審査委員に承認され、当地方の和牛改良を推進する。
昭和49年 8月鳥取、広島、岡山県より優良雌牛15頭(妊牛)を導入する。
鳥取県国本氏より種雄牛上重号を導入により発育、乳微を改良する。
昭和52年 第3回全国和牛能力共進会が宮崎県で開催され、青森県代表とし、沢田啓氏第2さわだ号と白山精一氏第3たにもと号を出品する。
8月鳥取、広島県より優良雌牛15頭(妊牛)を導入。
昭和55年4月1日 三戸地方黒毛和種改良組合設立
全国和牛登録協会より三戸地方黒毛和種改良組合青2号の組合とし、認定される。
優良雌仔牛の保留事業を開始。
和牛の生産と改良に於ける婦人の役割の重要性から改良組合婦人部を組織する。
9月第1回東日本和牛能力共進会が岩手県で開催され、第1区、第4区に2頭出品する。
昭和56年 農家の意欲も高まり、各地域に和牛研究会、和牛愛好会が誕生し、各種講習会や研修が活発に開催される。
昭和57年 人工授精が普及し、交配4方式の正しい交配方式を改良地区座談会等で普及徹底を図る。
昭和58年7月 田子町、三戸町、田子農協、三戸農協とで、和牛改良協議会を開催し、改良方針を決定する。また同時に和牛の導入先について検討を行い地域の特性等を考慮した結果、鳥取県に統一される。
昭和59年 和牛生産者の高齢化に伴い改良、増頭、強化による役割の重要性から改良組合青年部を組織する。
昭和60年 三戸地方黒毛和種改良組合の改良方針を推薦種雄牛の決定
1、改良方針
大型で、肉量、肉質に富み、当地域の環境に適し、特に放牧に適した丈夫で飼いやすく、農家の労働力が軽減できる肉牛づくりを改良方針とする。
このため繁殖基礎雌牛の改良は体積ライン即ち白丸系統牛を核として改良し、その基礎雌牛に資質系統牛の種雄牛を交配し、肉量、肉質とも兼ね備え、丈夫で経済的な地域の銘柄牛を生産し、経済競争に強い黒毛和種の改良を推進する。
2、推薦種雄牛
体積ライン系第2気高富士、国気高、盛気高、資質ライン系安美金、森正、資質体積ライン系沢和、沢金高
9月 第二回東日本和牛能力共進会が宮城県で開催され、当改良組合から、第1区、第2区、第4区、第5区計8頭が出品され農家の意欲が高まる。
鳥取県より種雄牛第2気高富士号を導入する。本牛は発育、体積、中躯、体深、体伸、腿形が優れ、今後の改良に期待する。
昭和61年 鳥取県より種雄牛第3国気高号を導入し、国気高号の息牛とし、高く評価され、また本牛の優点は体積、中躯、体伸、乳徴の改良が期待される。
昭和62年9月 第5回全国和牛能力共進会が鳥取県で開催され、当改良組合から、第5区、第9区が出品され、第9区の繁殖雌牛群が堂々と優等賞2席に入賞する。
昭和63年 原種牛制度の制定
三戸・田子牛の改良及び造成方針
1、三戸・田子牛の斉一化、主産地化を図るため、原種牛委員会が認定した中核的繁殖用素牛をいう。
また、優点を保持しながら、難点を解消することを改善の目標とする。
2、三戸・田子牛の特色条項は次の通りである。
優点:体積、均称(体深、伸び)
前駆(深み)中躯(幅、深み、伸び)後躯(尻幅)
難点:資質、品位(被膚、被毛)前駆幅、尻の形状、下腿の厚み
3、交配方式としては体積ラインのみの雌牛に体積ラインの種雄牛を交配し、第1方式の生産とし、将来的には第3方式、第4方式にする。
4、原種牛の指定交配台帳の作成(5代祖調査)
5、計画交配の実施と産仔検査の実施(交配種雄牛の検討)
12月 沢和号産肉能力間接検定が終了し、DG0.82、サシ1.8の成績となる。
沢金高号産肉能力間接検定が終了し、DG0.90、サシ1.8の成績となる。
和牛改良組合原種基礎牛148頭に指定交配する。
改良組合優良雌牛保留牛の規定を改正した。
ここまでの総括と展望
1、管内で飼養されている繁殖雌牛は鳥取牛の特徴である発育、体積、乳徴を保持すると共に但馬系の種雄牛を利用し、質、量の両面から改良を進めてきた。
しかし、最近特に発育、資質面で改良成果が高まった反面、体深、尻幅等が委員検討会で問題となり、対策として、平成2年2月に鹿児島県上別府種畜場の繁養種雄牛の優点、間接検定成績また産仔の優点を調査し、改良の意義(生産性、経済性を高め経済価値を増進する)について検討を加えた結果、当改良組合牛の美点を保持し欠点を補える可能性の高い種雄牛として、金富号、金光号を指定交配種雄牛に認定する。
2、系統的に優れ、発育と資質の良い仔牛については、地元保留を継続し、当改良組合の特質である、発育、体積、乳徴、体伸、放牧に適し、飼いやすい、良い牛の形質の固定を図りながら、その産仔の斉一性を高めることを目的とし、原種牛制度を推進する。
平成7年4月1日 肥育部会設立
田子牛について
「三戸・田子牛」の定義
下記の条件を満たした牛を「三戸・田子牛」という
①三戸町、田子町、南部町、八戸市管内で生産され、当組合で育成、肥育された牛を言う。
②管外で生産、育成され、当組合内で12ヶ月以上肥育された牛も「三戸・田子牛」とする。
③肉用牛の品種は、黒毛和種の雌牛及び去勢牛とする。
④肉用牛飼養者は当組合会員または管内の者であること。
⑤(社)日本食肉格付協会の格付を受け、4等級以上に格付された枝肉を「三戸・田子牛」とする。
⑥格付され、「三戸・田子牛」となる枝肉には、1頭に対して1枚の産地証明書を発行し証明する。
⑦その他、必要に応じ協議し改正する事とする。
⑧平成15年12月1日より適用する。(平成22年4月1日一部変更)
三戸地方黒毛和種改良組合
方針をもって
研究や改良を続け
生産者のみなさんの
たゆまぬ努力もあり
それらを経て
平成11年(1999年)に
立花さんが育てた田子牛が
全畜連肉用牛共進会で最優秀賞
(青森県初、日本一)を獲得しました
こういった生産者さんの思いも
田子牛専門店として
伝えていければと思っています